LOADING

コンテンツ CONTENTS

突然の下痢や腹痛。

「食べたもの、何か当たったかな?」と思ったことはありませんか?

このサイトでは、感染性胃腸炎の原因や治し方、うつさないための予防対策などについてご説明します。

感染性胃腸炎とは

胃腸風邪とも呼ばれており、細菌やウイルス、寄生虫などの病原体が体内に侵入し、胃腸に感染することで炎症を起こす感染症のことです。
病原体の種類によって流行する季節が異なります。

症状

下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などが主な症状です。
下血や血便が見られることもあります。

診断

原因となる病原体によって経過が異なるため、症状が出る前に食べたものや、発症するまでの潜伏期間、症状の経過、周囲への感染状況、季節性、海外渡航歴、ペットの有無などによって、原因となった病原体が推測されます。
必要であれば、検査をして病原体を診断されることもありますが、感染していても陰性となることや、結果が分かるまで数日必要となることもあります。

どうやって感染するのか?

感染経路としては、以下のようなことが考えられます。

・汚染された食品や水、加熱不十分なまま食べた
・感染した人の嘔吐物や便に触れた
・ドアノブやスマートフォンなどに付着していた病原体に触れ、付着したままの手で口などに触れた
・感染した人の嘔吐物が乾燥し、そこから病原体が浮遊し、それを吸い込んだ
・感染した人のくしゃみや咳など、細かい唾液などに含まれる病原体を吸い込んだ

など

いつの何が原因?

病原体によって異なるため、症状から推測していきます。
一部をご紹介します。

ノロウイルス

潜伏期間
1~2日
原因
カキなどの二枚貝類の生のまま、または不十分な加熱
人から人への感染を引き起こしやすい

腸炎ビブリオ菌

潜伏期間
6時間~1日
原因
魚介類の刺身、すし類、魚介類を処理した手やまな板、包丁

サルモネラ菌

潜伏期間
5時間~3日(平均12時間)
原因
卵、卵製品、洋菓子類
食肉の不十分な加熱
動物の腸内や川、湖、下水などに広く存在している

腸管出血性大腸菌

潜伏期間
3~8日
原因
保菌している家畜やその糞便に汚染された食肉、あらゆる食品や水
牛レバー刺し、ハンバーグ、牛タタキ、サラダ、井戸水等の感染例がある
人から人への感染を引き起こしやすい

カンピロバクター

潜伏期間
2~10日
原因
生のまま、または不十分な加熱の食肉やその加工品、特に鶏肉が多い
犬や猫などのペットの糞尿

黄色ブドウ球菌

潜伏期間
30分~6時間
原因
人の皮膚や傷口、髪の毛に存在しており、調理する人から感染する
おにぎり、巻きずし、弁当、調理パン等の感染例がある

ウエルシュ菌

潜伏期間
6~18時間
原因
煮込み料理の放置など

治し方

自然に良くなることが多いため、対症療法が中心となります。
下痢や発熱による脱水を防ぐことが大切であり、水分補給が必要です。可能であれば少しずつスポーツドリンクなどの水分を飲んでいただくか、点滴で水分を補給することもあります。
原因と考えられる病原体や症状によっては、抗生物質での治療がされます。
下痢止めの薬は、病原体が腸の中にとどまってしまうため、使用されないこともあります。

家族に出たら?予防対策

感染対策の基本は手洗いです!
消毒も大切ですが、ノロウイルスはアルコール消毒では効果がないため、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒剤や家庭用塩素系漂白剤での消毒が必要です。

手洗い

トイレの後、嘔吐物や便の処理後、食事前、調理前には、必ず石けんと流水で手を洗う。
手洗い後に使用するタオルは共用せず、個人用タオルやペーパータオルを使用する。

嘔吐物や便の処理

換気を十分に行う。
使い捨ての手袋とマスクをする。
汚物が乾燥したり、飛び散らないように、ペーパータオルや不要な布で静かに拭きとる。
*乾燥するとウイルスが空気中に漂ってしまう
汚染した床などは、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで汚染場所の外側から内側に向けて浸すように拭き、消毒をする。
消毒後は水拭きをする。
使用した物品はすべてゴミ袋に入れ、密閉して捨てる。
袋の空気は抜かない。

食事

感染した人が使用した食器は、0.02%の次亜塩素酸ナトリウムに浸し消毒をする。
消毒後、通常通り洗剤で洗う。
生鮮食品は、調理前に流水でよく洗う。
生の肉類や魚介類の調理に使用したまな板や包丁は、使い分けをしたり、十分な洗浄と消毒を行う。
感染している人は、調理をしない。
食品の中心まで火が通るように、十分に加熱する。
*85度以上で1分以上の加熱が有効!

お風呂

感染している人は一番最後に入浴する。
身体を拭くタオルは共有しない。
湯舟のお湯は毎日交換し、浴室内は0.1%次亜塩素酸ナトリウムで消毒をする。

トイレ

症状が落ち着いてきても、2週間ほどは病原体が便中に排出されている可能性がある。
0.02%の次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭き、消毒をする。
消毒後は水拭きをする。

洗濯

嘔吐物や便で汚染している場合は、0.1%次亜塩素酸ナトリウムに10分つけ置きし、他の家族のものと別にし、普段通りに洗濯をする。
色落ちが心配なものは、85度以上の熱湯に1分以上浸す、またはアイロンで熱を当てる。

掃除

換気を十分に行う。
ドアノブ、手すりなど複数人が触れる箇所や共有スペースは0.02%の次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭き、消毒をする。
消毒後は水拭きをする。

次亜塩素酸ナトリウムの注意点

・使用する際は、換気を十分に行う。
・手指や皮膚が荒れることがあるため、手袋をはめて使用する。
・使用用途によって希釈濃度が変わるため、使い分けが必要。
嘔吐物などで汚染された床や布など、汚染が強い場所
→0.1%次亜塩素酸ナトリウム
(原液が5%の次亜塩素酸ナトリウムの場合)
500mlペットボトルに、ペットボトルのキャップ2杯の次亜塩素酸ナトリウム+ペットボトル1杯の水
蛇口やドアノブなど、通常の掃除
→0.02%次亜塩素酸ナトリウム
(原液が5%の次亜塩素酸ナトリウムの場合)
500mlペットボトルに、ペットボトルのキャップ半分弱の次亜塩素酸ナトリウム+ペットボトル1杯の水
・金属を腐食させることがあるため、消毒後10分ほど経過したら水拭きをする。
・汚物などが残っていると、消毒効果が低下する。
・他の薬剤と混ぜると有毒ガスが発生することがあるため、混ぜない。
・時間と共に消毒効果が低くなるため、1日毎に作りかえる。
・日光の当たらないところで保管する。

感染性胃腸炎かな?と思ったら

乳幼児や高齢者、基礎疾患のある方は特に注意が必要です。
早めの相談、受診をしましょう。

名古屋市瑞穂区を拠点としている訪問看護ステーションKuuでは、健康相談はもちろん、床ずれの処置や点滴、酸素の対応、お出かけや受診のお手伝いなども行っています。
お気軽にご相談ください。